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変わりたいのに苦しくなる人へ。まず知っておきたいこと
「人に合わせてばかりの自分を変えたい」「この嫌な性格や行動パターンを変えたい」と思っているのに、いざ行動しようとすると、強い不安が出てきて元の状態に戻ってしまうことはありませんか。
変わりたい気持ちは本物なのに、心の中では全力で拒否しているような、もどかしい感覚がある。
そのため、「やっぱり自分は変われない」と落ち込んでしまうこともあります。
でも、その反応は変化を邪魔するために起きているのではありません。
これまでのあなたを守るために身につけた方法が、今も働いているのかもしれません。
たとえば、長い間、重い鎧を身につけてきた人を想像してみてください。
鎧は動きづらく、肩も凝ります。できることなら脱いで、身軽に歩きたいと思うでしょう。
けれど、その鎧のおかげで何度も傷つかずにすんだとしたら、急に脱ぐのは怖いはずです。
「鎧を脱いだら、また傷つくかもしれない」
そう感じるのは自然なことです。
心の反応も同じです。
人の顔色をうかがうこと。本音を隠すこと。断らずに引き受けること。
今は苦しさの原因になっていても、過去のどこかでは、自分を守るために必要だったのかもしれません。
だから、力ずくでやめようとすると、心は危険を感じ、これまでのやり方を強く握りしめます。
変わるために最初に必要なのは、その反応を無理に消すことではなく、「何から自分を守ってきたのか」を知ることです。
変わるのが怖いのは、その古いやり方があなたを守ってきた証拠です
変わりたいのに動けないとき、私たちはつい自分を責めます。
「どうして変われないのだろう」
「勇気がない」
「また逃げてしまった」
けれど、変化を止めるブレーキには理由があります。
過去に本音を言って否定されたことがあれば、心は「本音を言うと傷つく」と覚えるかもしれません。
相手に合わせることで争いを避けてきたなら、「合わせているほうが安全」と感じるのも不思議ではありません。
そのため、自己主張をしようとしたあとに、「嫌われたかもしれない」と強い不安が出ることがあります。
これは、今の行動が間違っていたからとは限りません。
昔の経験をもとに、心が「また傷つかないように」と警戒しているのです。
無理にブレーキを外そうとするほど、心の警戒は強くなります。
まずは、「怖くなるのには理由がある」と理解することが大切です。
自分のブレーキを「敵」ではなく、自分を守ってきた味方として見つめる
自分の反応は、長く続くほど当たり前になります。
なぜ人に合わせてしまうのか。
なぜ断ろうとすると怖くなるのか。
自分では理由がわからず、「どうして余計なことをしてしまうのだろう」と責めてしまいがちです。
でも、過去の経験によってプログラミングされた防衛反応が、あなたの安全を確保しようとして必死に働いている証拠なのです。
心は「これまでのやり方を変えると、また昔のように傷つくぞ」と必死で警告してくれているのです。
この警告を無視して無理やり前進しようとすればするほど、内側の葛藤は大きくなり、苦しさは増していきます。
そのブレーキが「あなたを傷つけないために、必死で守ろうとしてくれている防具である」ということを知る必要があります。
まずは、反応をなくす方法を考える前に、次のように問いかけてみてください。
「この行動をすることで、これまで何を避けられてきたのだろう」
「もし、この反応がなかったら、何が起きそうで怖いのだろう」と。
ひとりではわからないときは、信頼できる人や専門家に話してみるのも一つです。
自分では「困った癖」にしか見えなかった反応も、別の人の穏やかな視点を借りることで、「自分を守ろうとしていた行動」として見直せることがあります。
反応の目的が見えてくると、自分を責める気持ちは少しずつやわらいでいきます。
変わりたいのに苦しくなる時、今日できること
変わろうとしたときに、いつもの反応が出てきたら、すぐに直そうとしなくて大丈夫です。
たとえば、また相手に合わせて本音を隠してしまったとします。
そのときは、「またできなかった」と責める代わりに、まずこう声をかけてみてください。
「何かが怖かったんだね」
「これまで傷つかないように守ってくれていたんだね」
そして、何を怖いと感じたのかを、ゆっくり確かめます。
嫌われること。
相手を怒らせること。
その場の空気を悪くすること。
怖さの正体が少し見えたら、いきなり大きく変わろうとせず、安全だと感じられる小さな行動を選びます。
すべての本音を話すのではなく、今日は自分の希望を一つだけ伝える。
強く断るのではなく、「少し考えてから返事をします」と言う。
そのくらいの一歩で十分です。
過去の自分に感謝すると、新しい一歩を選びやすくなる
これまで自分を守ってきた反応を、今すぐ全部手放す必要はありません。
鎧をどこまで脱ぐのか、どの部分はまだ残しておくのかは、自分が安全だと感じられる速さで決めてよいのです。
昔の自分には、その方法が必要でした。
まずは、
「ここまで守ってくれてありがとう」
と、心の中で伝えてみてください。
過去の反応を否定するのではなく、その役割を認める。
そのうえで、今の自分に合う新しい方法を少しずつ選んでいく。
変化とは、過去の自分を切り捨てることではありません。
これまでの自分を理解しながら、今の自分に必要な生き方へ移っていくことです。
急がなくて大丈夫です。
まずは、自分を守ってきた反応に気づくところから始めてみませんか。