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前向きになろうとするほど疲れる人へ。まず知っておきたいこと
「もっと前向きに考えなきゃ」
そう思えば思うほど、気持ちが重くなることはありませんか。
落ち込んでいる自分を責めたり、明るく考えられない自分にがっかりしたり。元気になろうとしているのに、なぜか前よりも疲れてしまう。
そんなときは、無理に前向きになる必要はありません。
先に必要なのは、心と身体を「安心できる状態」に戻すことです。
前向きさは、頑張ってひねり出すものではありません。心の緊張がゆるんだあとに、少しずつ戻ってくるものです。
前向きになろうとするほど、苦しくなるのはなぜ?
不安や怖さが強いとき、私たちは周囲の危険に敏感になります。
心が警戒モードになっているんです。
「また失敗するかもしれない」
「もっと悪いことが起きたらどうしよう」
「こんな自分ではダメだ」
このような考えが浮かぶのは、心が自分を守ろうとしているからです。
ところが、その状態の自分に対して、
「ポジティブに考えよう」
「感謝しなければ」
「いつまでも落ち込んでいてはいけない」
と言い聞かせると、心には新しい負担が加わります。
もともとの不安に、「前向きになれない自分への責め」が重なってしまうのです。
だから、頑張っているのに楽になれません。あなたの考え方が悪いのではなく、心が安心できていないまま、気持ちだけを変えようとしていることに無理があるのです。
疲れている時に必要なのは、走るのではなく休むこと
たとえば、暑い炎天下の中を歩き続け、喉がからからに渇いているとします。
そんなときに必要なのは、「もっと速く歩こう」と自分を励ますことではありません。
日陰に入り、水を飲み、身体を休ませることです。
心も同じです。
不安でいっぱいのときに、無理に前を向こうとすると、かえって疲れてしまいます。まず立ち止まり、心がこれ以上頑張らなくてもいい時間をつくる必要があります。
休むことは、逃げることでも、あきらめることでもありません。
再び動くための力を取り戻す時間です。
よくあるのが、前向きになる方法を探し続けてしまうこと
仕事や将来のことを考えて落ち込んでいるとき、気持ちを変えようとして、自己啓発の本や前向きな発信を次々に読むことがあります。
けれど、そこに書かれているように考えられないと、
「やっぱり自分の考え方が悪い」
「みんなは変われるのに、自分だけ変われない」
と、さらに落ち込んでしまうことがあります。
このようなときは、新しい考え方を増やすより、前向きになる努力をいったん休むほうがよい場合があります。
「疲れているのだから、不安になるのも当然」
「今日は答えを出さなくていい」
そうやって今の状態を否定せずに認めると、張り詰めていた心が少しずつゆるみます。
安心できる時間が増えると、「少しやってみようかな」という気持ちが自然に戻ってくることがあります。
前向きになれない時にまずやってみてほしいこと
気持ちを変えようとしても苦しいときは、次の順番で自分を安心させてみてください。
1.「前向きにならなきゃ」をやめる
まずは、前向きになることを今日の目標から外します。
「今は落ち込んでいてもいい」
「元気になれない日があってもいい」
そう自分に伝えてください。
気持ちを変えようとするのをやめるだけで、心にかかっていた余計な力が抜けることがあります。
2.身体がほっとすることを選ぶ
不安が強いときは、頭の中で考え続けるより、身体の感覚に意識を向けてみましょう。
- 温かい飲み物をゆっくり飲む
- 毛布や布団にくるまる
- スマホから少し離れる
- 肩の力を抜き、息をゆっくり吐く
- お気に入りの音楽や香りを取り入れる
大きなことをする必要はありません。
「少し落ち着く」「なんとなくほっとする」と感じられることを、一つ選ぶだけで十分です。
3.今の気持ちを、そのまま言葉にする
「不安」や「つらい」だけで終わらせず、もう少し具体的に言葉にしてみます。
「失敗するのが怖い」
「本当はもう頑張りたくない」
「誰かにわかってほしい」
自分の本音が見えてくると、漠然としていた苦しさを整理しやすくなります。
紙に書いてもかまいません。誰かに見せる必要も、きれいな文章にする必要もありません。
4.信頼できる人に話す
ひとりで考えていると、自分を責める考えから抜け出せなくなることがあります。
そんなときは、信頼できる人に、
「今、前向きになれなくて苦しい」
と、そのまま話してみてください。
すぐに解決策が見つからなくても、「そう感じているんだね」と受け止めてもらうことで、心の緊張がゆるむことがあります。
アドバイスが欲しくないときは、「今日は答えを出すより、話を聞いてほしい」と最初に伝えてもよいでしょう。
安心が先、前向きさはあと
前向きになれないのは、あなたが弱いからでも、努力が足りないからでもありません。
今は、心が休息や安心を必要としているだけかもしれません。
無理に気持ちを変えなくていい。
立ち止まってもいい。
誰かを頼ってもいい。
まずは、今の自分が少しでもほっとできる選択をしてください。
心が安心できるようになると、前を向く力は、必要なタイミングで少しずつ戻ってきます。